記念イベントに4444人 世界遺産候補暫定リスト入りで最高記録更新 富岡製糸場
- 掲載日
- 2007/02/12
生糸を使ったオリジナル楽器で幻想的な音色を奏でた「ストリングラフィ・アンサンブルコンサート」=富岡製糸場東繭倉庫
世界遺産登録の国内候補地暫定リストに、「富岡製糸場と絹産業遺産群」が追加記載されることになったのを記念したイベントが十一日、富岡市の旧官営富岡製糸場で開かれ、生糸を楽器にしたコンサートなど多彩な催しが繰り広げられた。三連休の中日でもあり、家族連れら四千四百四十四人が訪れ、一日当たりの過去最高だった一月三日(二千三百六十七人)を大幅に更新した。周辺駐車場も午前中から満車となる混雑ぶりで、“暫定リスト効果”によるにぎわいが終日続いた。
東繭倉庫では五人の女性グループが生糸で作ったオリジナル楽器を演奏する「ストリングラフィ・アンサンブルコンサート」を公演。糸電話の原理を応用して、場内に張り巡らした生糸を指でこすり、クラシック曲などを魅惑的な音色で奏でた。
コンサート途中には、来場者の手拍子と共演した「おもちゃのチャチャチャ」を披露。さらに、来場者が飛び入りで演奏する場面もあり、体験した富岡市富岡、村田和弥さん(38)は「子供にコンサートを見せたいと思って来た。倉庫の雰囲気にマッチして幻想的だった」と満足そうだった。
シンボルマークの最優秀賞に決まり、記念品を受け取る奥野さん=富岡製糸場東繭倉庫
コンサートの前には、富岡製糸場シンボルマークの表彰式が行われ、最優秀賞の京都市の奥野英一さん(57)ら入賞者に賞状とマーク入りのガラス盾が贈られた。奥野さんは「最高の名誉。世界遺産登録運動の応援になればいい」と語った。