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幻の染織紅板締め 県繊維工業試験場で実演 桐生

紅板締めで、鶴が鮮やかに染め抜かれた絹地
紅板締めで、鶴が鮮やかに染め抜かれた絹地

“幻の染織”といわれる「紅板締(べにいたじ)め」の実演が二十三日、桐生市の県繊維工業試験場で行われ、県内外から約五十人が見学に訪れた。同試験場は今月、高崎を中心に活動している「たかさき紅の会」(吉村晴子代表)などと協力して紅板締めの復元に成功しており、この日は染織技法のお披露目が行われた。

紅板締めは、模様を彫った型板に薄絹を挟んで染料液をかけ、緋ひ色いろ地に白い模様を染め抜く技法。

この日は、紅の会や同試験場の職員らが紅板締めの工程を披露。型板に薄絹を挟んで固定し、染色液を掛ける作業には来場者も参加した。今回は、ナデシコの花や染め抜くのが難しいという鶴の模様にも挑戦。鶴の模様は「今までの中で上出来の部類」(同試験場)で、白と赤の鮮やかなコントラストに集まった人から歓声が上がった。

吉村さんは「紅板締めは、独特の風合いと日本独自のモチーフに風情がある。赤地の部分にむらが出るなど課題は多いけれど、これからも改良を重ねたい」と話している。

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