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“ご養蚕”に島村の技術 紅葉山御養蚕所前主任 佐藤さんが講演 伊勢崎

皇室のご養蚕について語る佐藤さん
皇室のご養蚕について語る佐藤さん

皇居内の紅葉山(もみじやま)御養蚕所の前主任、佐藤好祐さん=前橋市元総社町=の講演会が十四日、伊勢崎市の境島村公民館で開かれた。「皇室のご養蚕―島村と紅葉山御養蚕所」のテーマで講演した佐藤さんは、島村と御養蚕所の関係を説明しながら、養蚕に励む皇后陛下のご様子を語った。

佐藤さんは、昭憲皇太后が旧官営富岡製糸場が操業する前年の一八七一(明治四)年に吹上御苑内で復興されたご養蚕には、島村の田島武平、七二、七三年は田島弥平がそれぞれお世話役を務めたと語り、復興当初に島村の人たちが活躍したと指摘した。皇后陛下は養蚕に大変理解を示されており、「富岡製糸場などが世界遺産になるまでは群馬から養蚕が絶えないでほしい」と語った。

皇居での養蚕作業は明治時代以降の歴代皇后が受け継いでいるもので、桑を与えたり、蚕が作った繭を取り出す作業も自ら行う。

佐藤さんは県蚕業試験場長などを歴任し、一九八七年に退職。九六年から今年三月末まで紅葉山御養蚕所の主任として皇后陛下の養蚕指導にあたってきた。

講演会は、島村地区に残る大型養蚕農家の保存・活用を目指して一昨年に結成された「ぐんま島村蚕種の会」(田島健一会長)が開催した。

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