織りの技法多彩 日本絹の里伊丹公子展 着物展示、実演は9日から
- 掲載日
- 2007/06/04
「経絣ずらし」の制作工程
島根県津和野町の染織家、伊丹公子さんの絹織物と、その技法を紹介する「伊丹公子展 かすり絣からもじり織りまで」が、9日から7月16日まで、高崎市金古町の県立日本絹の里で開かれる。12種類の多彩な技法で仕上げた織物を披露し、写真パネルで制作工程を解説する。伊丹さん自身も会場で織りを実演し、長年磨き上げた技術を来場者に広く伝える。
伊丹さんは二十代後半から三十年余りにわたり、京都の工房で修業。現在は津和野町が運営するシルク染め織り館長を務め、自らの作品制作や住み込みの若手作家の指導に当たっている。前橋市内にも昨年一月、工房を開設、毎月一回訪れて、染め織り教室を開いている。
今回紹介する技法の一つ、「経(たて)絣ずらし」は、経糸をしま模様に先染めした後、大きくずらして織ることで柔らかい波形を描き出す技術。染めから織りまでは非常に複雑な工程だが、パネルに写真と解説文を紹介することで、織物の制作工程に対する理解を深めてもらうことを狙っている。
このほか、経糸をからみ合わせながら緯よこ糸と織る「もじり織り」や、格子状に織る経糸と緯糸のほかに図柄に合わせて別の色の糸を織り込む「すくい織り」などを中心に、「花織り」「風通織り」「絵絣」「吉野格子」「真綿メダカ」など珍しい技法の着物や反物が並ぶ。
織りの実演は六月九、十、十六、十七、三十日と七月一、十四、十五日で、いずれも午前十時半と午後一時半から。
入場料は大人二百円、大学、高校生百円。中学生以下は無料。火曜日は休館。
問い合わせは日本絹の里(電話027・360・6300)へ。