養蚕身近で体験を みなかみの石坂さん 小学校などに飼育セット
- 掲載日
- 2007/06/22
「新幹線みたいでかわいい」と声を上げて観察する児童たち
蚕の飼育を通して命の大切さを学んでほしいと、みなかみ町小川の養蚕農家、石坂義久さん(27)が蚕の飼育セットを町内の小学校や病院など五施設に配布し、養蚕技術を子供たちやお年寄りに伝えている。
飼育体験は「生きものを育てて、人を思いやる心を育ててほしい」と石坂さんが企画した。町やJA全農ぐんまなどの協力を得て六月中旬に、家族で育てた四齢の蚕百三十匹を配布。初めての人でも餌やりの困らないように、人工飼料もセットした。
石坂さんの母校、月夜野北小学校には五十匹を提供した。三年生十一人が交代で世話をして、繭ができるのを楽しみにしている。石坂凌君(8)は「蚕を飼うのは初めて。白くてかわいい」と声を弾ませた。採れた繭は卒業式に手作りの品に加工して、卒業生にプレゼントするという。
石坂さんは「普段口数が少ないお年寄りの患者が、懐かしんで昔の養蚕を話してくれる。町内の反応を見て、県外にも活動を広げていきたい」と話している。