製本県の「製糸」「絹織物」産業 近代化遺産候補に 経産省
- 掲載日
- 2007/07/13
全国の近代化遺産の選出を進めている経済産業省の産業遺産活用委員会は十二日、第二回会合を開き、事務局の同省側が三十の遺産群を候補とする案を提示した。県内は富岡市の旧官営富岡製糸場や高崎市の旧官営新町屑くず糸紡績所を含む「製糸産業遺産群(仮称)」、桐生市ののこぎり屋根工場を含む「両毛地域における絹織物生産関連産業遺産群(同)」の二組が候補となった。今後、委員らが現地視察を行い、九、十月にも正式に遺産群を選出、認定証を発行する。
「製糸」は同製糸場と同紡績所のほか、甘楽町の旧甘楽社小幡組倉庫、安中市などの碓氷峠鉄道施設、京都や長野の建物などで構成している。「絹織物」は桐生市と栃木・足利市の織物関連の建物に加え、博物館が所蔵する織機も候補に入っている。
認定証発行後、同省は産業遺産を積極的に活用している地域の顕彰や支援、価値を広めるためのシンポジウム開催などを計画している。
近代化遺産は、主に幕末から太平洋戦争終了までに近代的手法で造られた工場や鉄道、ダムなど産業にかかわる建造物。各遺産の歴史や価値、遺産にまつわる先人の物語を掘り起こし、地域活性化に活用することを目指し、同委員会が選出、認定を進めている。