富岡製糸場の歴史紙芝居に 「赤れんが物語」完成第1部 シルクデーで初上演 富岡中央ロータリークラブ
- 掲載日
- 2007/07/25
富岡中央ロータリークラブが製作、上演する紙芝居「赤れんが物語」の第1部
富岡市の旧官営富岡製糸場の歴史を分かりやすく伝えようと、富岡中央ロータリークラブ(加納紀一郎会長、三十九人)がオリジナル紙芝居「赤れんが物語」(全五部)の第一部「官営工場 富岡に決まる」を完成した。設立構想から適地選定まで、明治初頭の経緯を描いた。世界遺産登録を目指して、会員が自ら語り手となり、二十八日に市内で開くイベント、ザ・シルクデーで初上演する。
製作は、昨年十一月の例会で会員の今井清二郎さん(66)=前市長=が手製の紙芝居「私の富岡製糸場ものがたり」を上演したのがきっかけ。社会奉仕プログラムの一環として、ロータリー財団の助成も受け、当時の会長、大島雅彰さん(58)を中心に作品づくりに着手した。
市長当時に片倉工業(本社・東京)から市への譲渡も実現した今井さんが脚本を書き、原画は同市出身の漫画家、高橋わたるさん(64)=西東京市=に依頼。製糸場研究の第一人者、今井幹夫・富岡市立美術博物館長の監修を受けた。
物語は、伊藤博文、渋沢栄一らの明治政府が殖産興業の礎として官営模範工場設立を決議、フランス人技師、ポール・ブリュナが富岡を建設地に選ぶまで。語り手となる会員五人が外国人の声色も使った練習に励み、シルクデーでは、製糸場内で三回程度の上演を予定。
製作中の二部は「巨大な赤れんが建物、建設物語」、三部は「工女たちの物語」。構想中の四部は操業開始翌年の「皇后・皇太后の行啓」、五部は「一世紀余を経て、世界の宝に!」のタイトルで、片倉工業の功績にもスポットを当てる。
会長の加納さん(65)は「子供たちも含め、紙芝居なら価値をよく理解できる。世界遺産登録の意義を市民一人一人に身近に感じてもらえるよう、上演機会を広げていきたい」と話している。