繭、花開く 県産品使い酒井さん 30日まで東京
- 掲載日
- 2007/07/26
さまざまな花に姿を変えた繭が会場を飾っている
繭を材料に、花を模した工芸作品「花まゆ」を制作している酒井登巳子さん(60)=名古屋市=の作品展「繭から生まれた花 花まゆ展」が二十五日、東京・中央区の日本橋高島屋で始まった。桜やバラ、稲穂、ブドウの実、生い茂る草など、酒井さんの手によって変幻自在に姿を変え、みずみずしい生命力を吹き込まれた繭が、会場を華やかに飾っている。三十日まで。
酒井さんは工芸家グループ「花まゆ」の主宰。関東や東海、近畿地方で教室を開いており、会員は約六百人。安中市の碓氷製糸農業協同組合に集荷された繭を使って制作している。
作品展は、今年一月に自作作品の写真集を出版した記念に企画し、写真集収録作品を中心に三十余点を出品している。生徒五十人の作品も合わせて展示している。
酒井さんの作品は、濃淡さまざまのピンク色の花が枝先を彩る高さ二メートルの大作「ももだより」や、薄い紫色のかれんなバラがしっとりと咲く「大輪薔薇(ばら)」など、作品ごとに趣が大きく変わっている。
酒井さんは「繭から生まれる作品には、優しさやぬくもり、安らぎがある。制作を通して、養蚕農家や絹産業を応援していきたい」と話している。