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「記憶継承が大切」 内山教授ら地域づくり語る 前橋で「地域創造フォーラム」

活発な意見が交わされたぐんま地域創造フォーラム=群馬会館
活発な意見が交わされたぐんま地域創造フォーラム=群馬会館

地域活動の価値を問い直す「ぐんま地域創造フォーラム」が二十八日、前橋・群馬会館で始まった。第一部では立教大大学院教授の内山節さん、新潟大教授の大熊孝さん、東京大教授の鬼頭秀一さんらが、地域づくりの中で「記憶」が果たす役割について議論。第二部は各地の地域活動の代表らも加わり、今後の地域づくりについて意見交換した。

フォーラムは、県や地域活動団体の代表者らでつくる実行委員会、内山さんらの「哲学塾三人委員会」が主催。第一部には三人のほか、同委員会とこうしたイベントを開催してきた静岡県掛川市元市長の榛村純一さんと長野県飯山市元市長の小山邦武さん、上毛新聞社の藤井浩・文化生活部長が参加した。

内山さんは「地域づくりを考えるとき、その地域に残されている記憶や遺伝子を背景とすると、奥行きの深い議論が可能になる」などと述べた。大熊さんは「記憶は地域づくりの核になる。記憶を継承していくことが大切で、文化遺産や文化財は継承のための『装置』」などと発言。世界遺産登録を目指す本県の絹産業遺産群も、その装置となり得るとの考えを示した。

また、鬼頭さんは「失われてしまった記憶をどうよみがえらせ、受け継いでいくのか。絹産業遺産群を見つめ直すことは、記憶をつないでいくことになる」などと発言。さらに、記憶を継承していくのには身体的な経験が重要だと指摘した。

第二部では、県内で活動している地域団体の代表ら六人も参加。教育や食文化、芸術活動などと地域づくりの関係や今後の課題について、意見を交わした。

フォーラムは二十九、三十日には片品・尾瀬岩鞍ゆり園に会場を移して行われる。

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