伝統の銘仙で振り袖 伊勢崎織物協組 “王国”復活へあす展示会 県外発表会も検討
- 掲載日
- 2007/08/19
伊勢崎銘仙を使った振り袖用の反物。組合は多彩な柄を生かし、需要の掘り起こしを目指す
伊勢崎織物協同組合(田村直之理事長)は、伊勢崎銘仙を使った振り袖の製造販売に乗り出す。第一弾として伊勢崎市と連携して二十日、同市内で振り袖用反物の展示会を開催。さらに県外で販売業者や問屋向け発表会も検討しており、全国にあらためて銘仙の良さをアピールし、「銘仙王国」の復活を目指す。
伊勢崎銘仙は、江戸時代に全国に販路を広げ、丈夫で安価、柄も多彩なことから普段着として定着した。しかし、戦後は生活様式の変化から需要が少なくなり、転廃業が相次いだ。同組合には一九五五年、九百六十二社が加盟していたが、現在は約六十社になっている。
同組合は、伝統技術を生かした新分野の商品として、銘仙を使った振り袖を考案。来年に成人式を迎える市内の女子大学生から、振り袖の注文があったことも計画を後押しした。
展示会は二十日、いせさき明治館(黒羽内科医院旧館)で、組合員が仕立てた振り袖と、振り袖用の反物十種類を紹介。同組合は顧客ニーズを調査する機会ととらえ、来場者の要望も聞く。
振り袖は、同組合が注文を受け付け、市内の職人が手作業で仕上げる。丈夫で軽く、多彩な色合いを持つ かすり絣の技法を使う。
発表会の反応を踏まえ、問屋や販売業者への営業や県外での展示販売会なども検討していくという。
田村理事長は「すべて手作業で仕上げる職人の高い技術や柄の華やかさなど銘仙の魅力を再認識してもらいたい。研究を重ね、成功につなげたい」と話している。