養蚕 座繰り 技術の担い手育成 前橋・県蚕糸技術センター 12人が20日間講習
- 掲載日
- 2007/09/16
座繰り製糸の技術を学ぶ受講者ら
養蚕と座繰り製糸の新たな担い手を育てる県蚕糸技術センター(前橋市総社町総社)の「絹へのふれあい体験学習講座」が、同センターで開かれており、受講者十二人が蚕の飼育方法や上州座繰り器で糸をひく技術を熱心に学んでいる。
講座は同センターが今年初めて企画。養蚕コースと上州座繰りコースに分かれて、それぞれ二十日間、同センター職員の指導を受けながら体験実習を行う。七、八月に実施した前期には両コースに計十人が参加した。後期は今月四日から十月十二日まで行われている。
座繰りコースの教室には上州座繰り器七台が並び、受講者らは真剣な表情で休まずにハンドルを回し続け、鍋で煮た四十粒の繭から出る細い糸を一本にまとめてひき上げている。
受講している太田市の亀山美知枝さんは「実際に座繰り器を回してみて、奥が深いのが分かった。家では織物をしているので、いい糸ができたら使ってみたい」と語る。
ギャラリーで働く前橋市の武藤貴代さんは「美術品の素材にも使われる絹の魅力を勉強したいし、人々に伝えるパイプ役になりたい」と熱心に糸をひいている。