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「養蚕業発展を祈願」 妙義・貫前 2神社の灯籠解説 富岡で講座

幕末期の養蚕業について講演したかぶら文化講座
幕末期の養蚕業について講演したかぶら文化講座

富岡甘楽地域の四市町村教委が主催するかぶら文化講座が十日、富岡市の妙義中央公民館で開かれ、市立美術博物館の今井幹夫館長が「幕末期の養蚕農民の祈り」と題して講演した。

講座は同地域の市町村が連携、より良い学習サービスを提供するため企画された。

この日は今井館長が、養蚕業の繁栄を願って建立された妙義、貫前神社の灯とうろう籠について解説。妙義の灯籠は二百十五人、貫前は千五百四十三人の寄進によって、幕末期の一八六〇年代に建立されたことを説明した

寄進者は糸繭商人や養蚕農家らが大半。横浜の生糸問屋が中心的存在だったことから、今井館長は「横浜港は生糸などの輸出が多く、粗製乱造問題などが発生していた。問屋は灯籠の建立で問題の克服と養蚕業の発展を念願した」と語った。

また、高崎市の豊岡八幡社などにも同様の灯籠があることを紹介。「建立は西毛地域に限られ、養蚕地帯だったことを証明する」と話した。

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