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熊本から「回転変流機」 安中市に無償譲渡 アプト式機関車に使用碓氷峠鉄道施設

熊本市から寄贈された回転変流機の搬入作業に携わった佐藤さん
熊本市から寄贈された回転変流機の搬入作業に携わった佐藤さん

安中市の碓氷峠鉄道施設の旧丸山変電所で、アプト式機関車の電力に使われたものと同じタイプの「回転変流機」が二十一日、熊本市から安中市に寄贈され、同市松井田町横川の「碓氷峠鉄道文化むら」に運び込まれた。市は同変電所内に移設する予定。

回転変流機は交流電気を、鉄道用の直流に変換する装置。同変電所では一九一二年から六三年まで、信越線の碓氷峠越えに活躍したアプト式機関車の電力供給に使っていた。回転式は国内でも数台しか残っていないという。

贈られた回転変流機は二二年製で、熊本市交通局が今月中旬まで路面電車の予備用に使っていた。重さは約七トン。変電施設を一新するのに伴い、当時の回転変流機を探していた安中市に無償譲渡することになった。

旧丸山変電所に勤務した元国鉄マンで、移転作業に携わった佐藤脩さん(81)=同市松井田町坂本=は「一世紀近く前の機械が最近まで使われていたと知り感慨深い」と話していた。

同変電所は世界遺産登録を目指す本県絹産業遺産群の一つ。市松井田支所は「回転変流機を設置すれば、遺産としての価値が高まる」としている。

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