蚕のふんで染め物 桐生の松井さん ストールなど36点展示 25日まで
- 掲載日
- 2007/11/23
会場には蚕のふんで染め上げた作品が並んでいる
蚕のふんを使って染め上げた染め物を知ってもらおうと、桐生市川内町の松井定夫さん(54)が二十五日まで、同市本町の有鄰館で「染蚕沙(さんしゃ)展」を開いている。絹のストールなど三十六点が飾られ、訪れた市民が見入っている。
松井さんは趣味で十六年前に染色を始め、二年前から蚕のふんを使った染め物に取り組んでいる。展覧会は今回が初めて。
松井さんによると、蚕のふんは漢方で薬、化粧品などに用いられており、「蚕沙」と呼ばれている。桑の葉を食べる蚕のふんで絹を染めると、淡い黄色が浮かび上がる。染色した絹は、色落ちを防ぐ媒染剤で発色させ、色を定着させている。
会場にはストールのほか絹のショールや布が並んでいる。織り上げる前の座繰り生糸や布を染める過程を撮った写真も展示されている。
松井さんは「蚕のふんで染まる不思議さを見てほしい」と話している。