「繭の輝き」鮮やかに 田中さん写真展 本県の養蚕追った60点 30日まで前橋
- 掲載日
- 2007/11/24
「写真を通じて養蚕への理解を深めてほしい」と語る田中さん。
作品はすべて自然光だけで撮影した
本県の養蚕や製糸、織物業をカメラで追い続け、第15回林忠彦賞を受賞した写真家、田中弘子さん(東京都)の写真展「繭の輝き」が30日まで、前橋市元総社町のNHK前橋放送局ギャラリーたまご広場で開かれている。受賞作を中心に約60点を展示、本県の養蚕業を写真で語る企画となっている。
田中さんは一九四二年東京生まれ。小学校低学年の時に父親の単身赴任先の桐生市を訪れた記憶が頭の片隅にあり、数十年ぶりで訪れた際に「記憶の断片をつなぎ合わせたい」と、養蚕の撮影を始めた。
展示している作品は、九八年から七年間にわたり「飛び込み取材」を通じて桐生や前橋、富岡、安中、片品など各地で撮影した。糸を吐き出す蚕や、光に照らされる繭、座繰りをする老人など、蚕とともに、それにかかわる人間の営みを浮かび上がらせている。
田中さんは「驚きや感動があった瞬間を写真に収めた。作品を通じて消えゆく養蚕業に注目してくれればうれしい」と話している。
入場無料。問い合わせは同放送局(電話027・251・1712)へ。