養蚕学校 高山社(藤岡)の功績広めよう 世界遺産登録後押し 市民有志ら来春にも「考える会」
- 掲載日
- 2007/11/26
高山長五郎が養蚕研究をした生家であり、世界遺産暫定リスト入りしている藤岡市藤岡の「高山社発祥の地」
明治、大正期に優れた養蚕技術を全国へ普及した養蚕学校「高山社」(藤岡市)の功績を広めようと、市民有志らが「高山社を考える会(仮称)」を来春にも設立する。設立運動の周知と入会の呼び掛けを兼ねて、二十七日には一般参加もできる勉強会を開催する。高山社の関連建造物は世界遺産暫定リスト入りしている「富岡製糸場と絹産業遺産群」の一つになっており、同会設立は登録実現への大きな後押しとなりそうだ。
高山社は藤岡市高山の高山長五郎(一八三〇―八六)が七三(明治六)年ごろに養蚕改良高山組として設立、後に私立甲種高山社蚕業学校となった。気候と蚕の成長段階によって換気と暖房を使い分ける「清温育」を指導。最盛期には教えを受ける「社員」が四万人を超えた。
現在は長五郎が養蚕の研究を行った生家が残り、「高山社発祥の地」として世界遺産登録運動に加わっている。運動の一環として、藤岡地域自治ネットワークと藤岡市が昨年から今年にかけて、高山社をテーマにした講演会を数回開催。いずれも大勢の聴衆が集まったことから「考える会」設立の機運が生まれた。
藤岡自治ネットは二十七日夜に藤岡商工会議所内で勉強会を開催し、同市職員の志村哲さんの講演を聞く。その後、有志らで十二月に「考える会」の幹事会を開いて活動方針などを策定。来年三月ごろに正式発足する。講演会や各種啓発活動に取り組む予定。
藤岡自治ネットの小坂裕一郎副座長は「高山社の功績を知ることは、地域への誇りにつながる。技術を惜しみなく広め、国家を支えた先人の精神を、町づくりにも生かして行きたい」と話している。
世界遺産登録運動を支援する市民グループは県内各地にあり「シルクカントリーぐんま連絡協議会」を組織している。同協議会の近藤功会長は「市民が動くことで、行政も動き、運動が盛り上がる。藤岡にも市民組織が設立されることは大変心強い」と歓迎している。
勉強会についての問い合わせは藤岡自治ネット事務局(電話0274・22・5101、藤岡行政事務所総務振興グループ)へ。