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養蚕教育の遺産後世に 3月で閉校 安中実業高 農具など資料県立歴史博物館に寄贈来月23日から公開

収蔵資料が県立歴史博物館に贈られる安中実業高の養蚕展示室
収蔵資料が県立歴史博物館に贈られる安中実業高の養蚕展示室

県立蚕糸高校としての歴史を持つ安中実業高校(田村仁校長、安中市安中)は、今年三月末の閉校を前に、養蚕展示室に五十点以上残る農具などの貴重な資料をすべて県立歴史博物館(高崎市綿貫町)に寄贈する。二十五日に搬出予定で、同館は二月二十三日から開く新収蔵資料展で公開する。

展示室には、産卵台紙や掃き立て羽根といった小型のものから、条払い機や足踏み繰糸機など大型のものまで、蚕糸高の授業で実際に使った道具や教科書などが並べられている。県内各地の卒業生から寄付されたものも多く、長年の養蚕教育の歴史をしのばせる。

安中実業高は、一九一三年に蚕糸高として開校。八五年に蚕糸科の募集を停止し、八七年に校名変更した。二〇〇三年に創立九十周年の記念事業として、養蚕実習などを行った校舎の二階に展示室を開設、一般に公開してきた。

昨年度、安中高(安中市安中)と統合した安中総合学園高が実業高内に新設。本年度末で実業高最後の三年生が卒業し、九十四年の歴史に幕を閉じる。

展示室がある校舎も総合学園高の教室に改装。新年度は全学年がそろい校内が手狭になることや、収蔵資料の管理が難しいことから、展示室の廃止を決めた。資料を一括して管理できる譲渡先として、同館へ寄付することにした。

資料を調査した同館の手島仁専門員は「養蚕から製糸まで一貫して教えた蚕糸高ならではの歴史を伝える貴重な資料」と話している。

同館は今後資料を詳細に調査し、本県の養蚕業を支えた蚕糸高卒業生に関する調査も行っていく考えだ。

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