製糸場との関係解説 富岡日仏交流150年で講演会
- 掲載日
- 2008/01/25
今井館長の講演を聞く市民や解説員
富岡市の日仏交流百五十周年記念講演会が、旧官営富岡製糸場で始まった。市立美術博物館の今井幹夫館長が「富岡製糸場とフランスとの関(かか)わり」をテーマに講演、市民や製糸場解説員ら四十八人が同国との関係に見識を深めた。
今井館長は一八五八年の日仏修好通商条約締結以降の両国関係や、同国への生糸輸出急伸などを説明し、製糸場建設にあたって明治政府がフランスを頼った背景を解説。建設を推進した渋沢栄一らのパリ万博(一八六七年)への渡航経験などを挙げ、スエズ運河開通(六九年)にも触れて「世界的視点で考えていく必要がある」と述べた。
製糸場は、フランス人ポール・ブリュナが建設の中心的役割を担い、同国人のバスチャンが設計。同国から製糸器械などを輸入して七二年に操業を開始した。初期の指導者も女性教師や男性技術者、医師らすべてフランス人だった。
講演会は年度内に三回開く。次回は二月二十四日に西堀昭・横浜国大名誉教授(日仏文化交流史専攻)が講演する。