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応斎の掛け軸など20幅 1日から桐生 織都の魅力を発信 織姫200年展

十二単(ひとえ)の美しい姿が映える桐生図書館所蔵の掛け軸(右)と大里さん
十二単(ひとえ)の美しい姿が映える桐生図書館所蔵の掛け軸(右)と大里さん

織物のまち桐生に伝わる掛け軸などの図像で、織姫の世界をたどる「織姫二百年展」が三月一日、桐生市本町の市郷土資料展示ホールで始まる。館林の文人画家、小寺応斎が二百年ほど前の一八〇四(文化元)年に描いた「白滝姫御真影」をはじめ、明治・大正期までの掛け軸二十幅ほどを展示。桐生、足利、東京・八王子の織姫文化も比較しながら、織物で栄えた桐生の魅力を浮かび上がらせる。

今回の企画は、同展実行委員会が市民に呼びかけて関連資料を収集。桐生図書館が所蔵する前原亙瀬(こうらい)、足利・早雲美術館にある田崎早雲の掛け軸を除き、ほとんどは市民に出品してもらった。

実行委の顧問を務める市文化財調査委員、大里仁一さんは「織姫の図柄が桐生にこれほど残っているとは思っていなかった。江戸から大正に至る桐生ゆかりの画家の系譜が概観できる」と企画の魅力を指摘する。

同展では、一九八二年に発刊された「白滝姫物語」の原画を展示。織物のまちの起源を伝える同市川内町の白滝姫神社や足利の織姫神社、八王子の機守(はたかみ)神社なども紹介しながら、“各地の織姫”を通して桐生の特徴に迫る。

白滝姫は、明治時代に桐生に設立された日本織物の主力製品である織姫繻子(しゅす)の宣伝看板にも使われた。貴重な当時の看板や、販売促進で上演された宣伝劇の役者絵も展示される。

実行委は「確認できる最も古い小寺応斎の作品も桐生織物の宣伝のために生まれた。その後も織物のまちの画家たちが、白滝姫や織姫図を描いてきたことが確認できた」としている。同展は三月二十六日まで。

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