元従業員が苦労語る 富岡製糸場シンポ 市民ら60人参加 高崎商科大
- 掲載日
- 2008/03/16
富岡製糸場の元従業員らの体験が披露されたシンポジウム
旧官営富岡製糸場について理解を深めてもらうシンポジウム「知られざる、富岡製糸場の真実」が十五日、高崎市の高崎商科大で開かれ、市民ら約六十人がパネルディスカッションや講演に聴き入った。
シンポジウムは、同製糸場の世界遺産登録を支援している同大主催。群馬テレビが制作し、同大がロケ地になった県政番組「風人の画布」との連携事業として開いた。
パネルディスカッションは、元片倉工業従業員で同製糸場で働いた直井幸夫さんと梅沢幸男さん、県世界遺産推進室の松浦利隆室長がパネリスト。群馬テレビ営業部長の飯塚克己さんがコーディネーターを務めた。
梅沢さんは「製糸は水と蒸気が必要だが、機械は油が必要。仕事前に毎朝、すべてをメンテナンスした」、直井さんは「夏はべらぼうに暑かったが、風で糸が乱れるため、窓も開けられなかった」などと、それぞれ苦労話を披露した。
松浦室長は、大正時代から、春になると「工女争奪戦」という言葉が新聞に登場し、工場側が従業員を確保するためにさまざまな知恵を絞っていたことを紹介した。