縞や銘仙布の魅力 きょうから桐生織塾
- 掲載日
- 2008/03/28
貴重な織物が楽しめる桐生織塾の20周年企画展
桐生市梅田町の桐生織塾(武藤和夫塾長)は二十八日から、一九八九年三月のオープン以来、同塾を支えてきた人たちへの感謝を込めて「縁」をテーマに二十周年企画展を開く。熟生が織った縞(しま)作品や武藤塾長のコレクション、桐生で盛んだった刺しゅうなど貴重で多彩な資料が楽しめる。三十日まで。
桐生織塾は織物にかかわる人たちのネットワークの拠点で、織物の技術を集めた資料を公開する一方、手織り工房として塾生に開放している。
今回展示される刺しゅう作品は、市内で刺しゅう業を営んでいた谷晟さんの資料を中心に、一九八〇年代から二〇〇〇年代までの女性用ブラウスなどを紹介。桐生ではぐくまれた技術や工程などに触れられる。
織塾で学んだ塾生は最近作の着物を紹介するほか、さまざまな縞の布を展示している。中には織り上げるのに三カ月以上もかかった細緻(さいち)な技術の詰まった織物もある。
銘仙を収集してきた武藤さんは、伊勢崎銘仙の魅力を中心に、各地の銘仙を百点ほどの反物で展示。タイの山岳少数民族の刺しゅう作品なども出品する。
同塾は九一年から縞、絞(しぼり)、絣(かすり)、幽(ゆう)、紬(つむぎ)、絵など糸偏の付く漢字と織物を関連づける企画を年度末に展開。過去の技術と織物づくりの在り方を読み取ることに取り組んできた。今回は「縁」がテーマで、武藤塾長は「一期一会の縁も、互いに学び合う縁もあった。多くの人たちに支えられて二十年を迎えられた」と話している。