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「お召し」布地で新製品を 桐生八丁撚糸機保存会が報告会 「試作品問題なし」

さまざまな種類のお召しを紹介する八丁撚糸機保存会の報告会
さまざまな種類のお召しを紹介する八丁撚糸機保存会の報告会

桐生八丁撚糸(ねんし)機保存会は三十一日夜、二〇〇七年夏に設立した株式会社「八丁ヤーン」の活動報告会を開いた。同社は桐生織の一つ「お召し」復活を目指して、お召しに使う強撚糸の生産を手がけてきた。会合では紋、縞(しま)、朱(しゅす)子、鬼縮(おにしぼ)のお召しの布を織るまでにこぎつけたことが報告され、今後はお召しの布地で、新たな需要を開拓する製品づくりにも取り組むことを確認した。

お召しは八丁撚糸機で一メートルに三千回の撚りをかけた絹糸を緯(よこ)糸にして織り上げる。表面の凹凸感などが好まれ、桐生織の中でも最高級品として一世を風靡(ふうび)した。

しかし、織物産業の衰退とともに、撚糸機や扱える人材が少なくなったことから、保存会では二〇〇四年夏から同撚糸機の“再始動”を目指し活動してきた。同社はその活動の一環として誕生、県産生糸のぐんま200を用いて強撚糸を作っている。

報告会には同社の強撚糸でお召しを織った、保存会のメンバーでもある森秀織物の森島純男会長も参加。同会長は「まだ課題を残しているが、今後はお召しの布を使って新しい需要を考える時期まできた」と評価した。

保存会会長で同社社長の長田克比古さん(60)=桐生市仲町=は「試作したワイシャツは着心地も良いし、洗濯しても縮みなどの問題はない。今後はジャケットなど洋服地への活用を考えていきたい」と話していた。

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