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文化遺産を未来に 村長らと意見交換 六合で有識者会議 重伝建地区も視察

村保健センターで意見交換する内山さん(左)ら
村保健センターで意見交換する内山さん(左)ら

森に大木を残し木造文化財を守ろうと活動している「文化遺産を未来につなぐ森づくりの為の有識者会議」(共同代表・内山節立教大大学院教授ら五人)の会員らが十九日、六合村赤岩の重要伝統的建造物群保存地区を訪れ、山本三男六合村長らと意見交換した。

同会は文化庁OBや大学教授、宮大工、文化財保有者ら約百五十人が二〇〇二年に結成した文化団体。二百年後の文化財修復用材の確保や文化遺産を核にした地域コミュニティーの再構築などを目指している。

同村を訪れたのは内山さんら二十七人。地元ボランティア、安原義治さんらの案内で高野長英をかくまったとされる湯本家や養蚕の里展示館などを見学、同村保健センターで意見交換した。

意見交換で内山さんは「世界遺産を目指していても富岡は国の製糸、これに対して群馬の農村は農家製糸が盛んで対立する文化でもある。この問題にどう踏み込むか」と投げ掛けた。

山本村長は「住民に気運の高まりが見られ、長いスパンで『なんとなくいいね』と言える保存地区になればいいのではないか」と話し、篠原辰夫同村議会議長は「表だけセットのように整えるのではなく、生きている息遣いの感じられる家並み保存が大切」とそれぞれの見解を述べた。

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