半数が「町並み見学」 のこぎり屋根や有鄰館お目当て 桐生訪問の観光客に市民団体が目的調査 産業遺産群の魅力浮き彫り
- 掲載日
- 2008/04/22
古い町並みを訪れる観光客が多い桐生市。
19日には古民家再生に取り組む東京のNPO法人が視察した
桐生市を訪れる観光客の半分近くは、本町一、二丁目や有鄰館など桐生を象徴する町並みの見学を目的にしていることが、21日までに分かった。まちづくりをサポートする桐生市民活動推進センター「ゆい」(角田亘代表、同市末広町)が、2007年度に同市を訪問した観光客に聞き取り調査した。織物の都市・桐生には日本の近代化を支えたのこぎり屋根の織物工場など貴重な建物が多数残っており、こうした産業遺産の魅力があらためて浮き彫りになった格好だ。
来訪の目的は、桐生を象徴する町並みを見学する「観光」が延べ五百三十五件で最多だった。この後、地元の名物品を味わう目的の「うどん」が百七十七件、トロッコ列車乗車など「わたらせ渓谷鉄道」が百六十件と続いた。織都・桐生を代表する織物施設の見学や製品の購入など「織物」も七十九件で上位に入った。
観光客の居住地は、県内約17%、県外約83%。県外者の内訳は、東京が三百二十二件でトップとなり、次いで埼玉(百七十一件)、神奈川(百十五件)、栃木(七十二件)―の順だった。首都圏からが大多数を占めたが、大阪(十八件)や新潟(十六件)からの来訪もあった。
同センターは「中高年の夫婦が二人で訪れるケースが多かった。結果が桐生の魅力をアピールするのに役だってくれればいい」としている。
調査は、〇七年四月一日から〇八年三月三十一日まで、JR桐生駅前の同センターに観光案内などを求めて訪れた人を対象に実施した。聞き取り総件数は千百八十三件、人数は千九百三十二人だった。
データは近隣の観光施設や商工会議所、自治体などに提供され、観光事業に役立てられる。