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“のこぎり屋根”工房に 美術家5人 きょうから桐生お披露目兼ね作品展

「のこぎり屋根工場を制作の場として活用し、その魅力を地域に伝えたい」と工房をバックに話す金原さん
「のこぎり屋根工場を制作の場として活用し、
その魅力を地域に伝えたい」と工房をバックに話す金原さん

桐生市で創作に励む美術家五人が、織物の街・桐生のシンボルとして親しまれるのこぎり屋根工場に共通の工房を構えた。高い天井や広い空間を持ち、北側の天窓から安定した光が入る同工場は「制作に最適なアトリエ」。新しい工房を得て創作に意欲を燃やす五人は七、八の両日、同工房で工房開きを兼ねた作品展を開く。

工房の名前は「金田丸岡平(きんでんまるおかへい」。参加する金原寿浩さん(立体、絵画)、田中一浩さん(油彩画)、丸山正実さん(日本画)、岡義明さん(静止画像)、平田歩さん(木彫り)の頭文字をとった。

工房を設けたのこぎり屋根工場は同市東久方町の旧住善織物工場。一九二一(大正一〇)年ごろに建設された鉄筋コンクリート造りの建物で、かつて彫刻家の掛井五郎さん、空間デザイナーのヤマザキ・ミノリさんもアトリエにしており、五人が三代目となる。

使い勝手を良くするため、工房内は各自で分けた。仕事や制作ペースの違いで全員が顔を合わせることは少ないが、美術の表現手法がそれぞれ異なるため、スペースごとに独自の雰囲気が出ている。共有の展示空間も用意した。

五人は九五年から、同じくのこぎり屋根工場の旧須正織物(同市東)で創作を始めた。旧住善織物工場には今年になって移った。今後は「地域に開かれた芸術の場」を目指すという。

同市内の本町通りを和紙に描く活動などもしている金原さんは「のこぎり屋根は制作する私たちにとって“宝”。作品展などを通じて、もう一度、まちの人にも魅力を感じてほしい」と話している。

作品展は両日ともに午前十時―午後八時。初日の七日は午後五時からオープニング・パーティーを開く。入場は無料。

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