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紡錘車の歴史探る 企画展で記念講演 地域性や発掘成果紹介 吉井

来場者からの質問に答える講師の3人
来場者からの質問に答える講師の3人

吉井町の多胡碑記念館で開かれている企画展「紡(つ)む―紡錘車(ぼうすいしゃ)が語る多胡郡」の記念講演会が同町役場で開かれ、歴史ファンら約六十人が、小さな紡錘車から読み取れる奥深い地域の歴史に聞き入った。

講師は県埋蔵文化財調査事業団の中沢悟さんと高島英之さん、同町教委の小根沢雪絵さんの三人。

中沢さんは、紡錘車が大量に見つかった同町の矢田遺跡の発掘担当者として、「吉井町から出土した紡錘車が県内全体の四分の一を占めている」と特異な地域性を紹介した。

高島さんは、全国でも本県と埼玉県北西部から集中的に出土する、文字が書かれた紡錘車について「繊維製品生産が盛んだった地域で、祭祀(さいし)などに使われたのではないか」と分析した。

小根沢さんは、同町の最新の発掘成果などをまとめ、「製造途中のものが出土する比率が高いことから、この地域が紡錘車の一大生産地だったことが分かる」と話した。

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