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「ノコギリ屋根博覧会」 工場の歴史、活用例紹介 「産業遺産」アピール 12月に桐生

桐生商工会議所(佐藤富三会頭)は十二月六、七の両日、織物で栄えた桐生のシンボル、のこぎり屋根工場の歴史や活用例、製品などを紹介する「ノコギリ屋根博覧会」を桐生市東久方町の旧金谷レース工業で開く。全国の商工会議所を通じて観光やサービス業者などの来場を呼び掛け、年々姿を消す同工場の機能性や産業遺産としての価値をアピール。新たな利用者や観光客の誘致を目指す。

会議所は博覧会開催に向け工場の所有者らによる初の連携組織を立ち上げ、事業を検討してきた。約四十社が刺しゅうなどの繊維製品を出展するほか、工房として利用するアーティストの作品も展示、工場の新たな活用法を紹介する。

会場を拠点に近隣の工場を巡るモデルツアーを実施。観光資源としての工場をアピールする。「近代化産業遺産マップ」も発表する。

会場となる旧金谷レースはれんが造りの工場などが国の登録有形文化財となっている。今春、ベーカリー店として生まれ変わった。博覧会の開催に向け、桐生工業高校建築コースの三年生らが会場整備に携わっている。

同会議所は二〇〇三年と〇五年、工場の再活用について市内のまちづくり団体と研究した成果を冊子にまとめて公表した。中小企業庁は今年、こうした取り組みを評価し、特産品や観光資源の開発を支援する「地域資源全国展開プロジェクト」に採択。六百五十万円を補助する。同庁は「ノコギリ屋根工場がこれほど集積しながら、知名度は意外なほど低い。産業観光の資産として活用できる」と注目する。

ノコギリ屋根工場は季節に関係なく均一の光を取り入れるため、屋根の北側に窓を設けているのが特徴。同市には現在、二百棟以上残る。織物工場のほか、石造りの工場を改装した美容室、豆腐料理店、洋菓子店、アーティストの工房などとして利用されている。美容室や豆腐料理店は「天井が高くて開放感があり、来店者から『落ち着ける』と好評を得ている」と魅力をアピールしている。

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