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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

官営期の重文2件修理 鉄水槽と旧蒸気釜所 屋根ふき替え、再塗装 富岡製糸場

修理が進む鉄水槽(手前)と旧蒸気釜所
修理が進む鉄水槽(手前)と旧蒸気釜所

富岡市の旧官営富岡製糸場で、官営期の国の重要文化財二件の修理が始まった。腐食が進んだ旧蒸気釜所の波形鉄板の屋根のふき替えと鉄水槽の塗装で、工期は三月十九日まで。

同市教委によると、旧蒸気釜所は雨漏りなどが発生していたため、下地を塗って屋根五百五平方メートルをふき替える。建物は一部木骨れんが造りで、製糸場創建の一八七二(明治五)年に建設された。当初輸入した蒸気エンジンを設置したと考えられている。

鉄水槽は腐食防止のために塗装をはがし、さびなどを落とした後、同じ黒色に塗り直す。七五(同八)年製造で、現存する国産最古の鉄製構造物とみられる。直径十五メートル、深さ約二メートルで、製糸に必要な水をためた。

二件はいずれも非公開の区域にあるが、市は保存管理計画で、重文や史跡の制度に基づいて保存方針を定める第一種保存建造物に分類している。工費は約一千三百万円。これまでに市が補修した製糸場内の建造物・構造物には、寄宿舎屋根(二〇〇六年度)などがある。

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