富岡製糸場など研究発表 産業考古学会 県内初開催で9人 高崎 石原名誉教授記念講演 高山社の養蚕教育説明
- 掲載日
- 2009/05/18
蚕供養の読経をする住職ら
産業遺産を研究する「産業考古学会」の総会が十六、十七の両日、高崎経済大などで開かれた。初日は本県の絹産業遺産についての研究発表などが、二日目は県内遺産をめぐる見学会が行われた。
同学会は、日本の近代化に重要な役割を果たした施設などの調査研究や保存に取り組んでいる。総会は今年で三十三回目で、本県での開催は初めて。
初日は研究者九人が研究成果を発表。本県関係では、上州座繰りや近代化産業遺産を生かした富岡市の取り組みなどをテーマとした発表があった。
また、共愛学園前橋国際大の石原征明(ゆくあき)名誉教授が「シルクカントリー群馬来訪」と題して記念講演。明治期の養蚕の教育拠点で、跡地の国史跡指定が確実となった高山社(藤岡市高山)の話題にも触れ、「当時は生糸の生産効率を上げるための手法を企業秘密とせず、地域全体で増産を目指した」と説明した。
二日目は、高崎市新町の旧官営新町屑糸(くずいと)紡績所や富岡製糸場などを見学し、参加者が写真やメモを取るなど熱心に見入っていた。