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桑葉活用で「お茶」 六合・赤岩の住民団体

赤岩の桑の葉を使用した桑茶
赤岩の桑の葉を使用した桑茶

六合村赤岩地区の住民で組織する「赤岩ふれあいの里委員会」(篠原辰夫会長)は、地区内の桑畑の桑の葉を使用した桑茶の販売を始めた。同地区は養蚕で栄えた特徴を残す山村集落として、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、同委員会は桑茶を地区の名物として売り出していきたい考えだ。

◎養蚕の地PRへ「名物に」と発売

 同委員会は、養蚕にまつわる伝統や文化を観光につなげようと、3年前から養蚕の復活に取り組んでいる。地区内の休閑地に桑の木を植樹し、旧稚蚕共同飼育所を修復。年間約8千匹の蚕を飼育して、収穫した繭を織物や手芸などに利用するほか、観光客の「座繰り」体験なども受け入れている。

 そうした活動は現在も続くが、例年約20アールほどの桑畑のうち、蚕のエサとして利用する桑は半分ほど。住民にはかねて「使わずに桑の葉が枯れるのはもったいない」との思いがあった。そのため、残りの桑を有効に活用しようと、桑茶への取り組みを始めた。

 桑茶は、住民らで刈り採った桑の葉を、その日のうちに桐生市内の製茶会社に持ち込んで仕上げる。こだわりは材料に赤岩の桑の葉を100%使用すること。8月上旬に初めて出来上がった。

 篠原会長は「お茶ならば保存期間が長く、まんじゅうに混ぜるなど他の食品にも利用できる」と理由を説明。「養蚕集落である赤岩の“名物”にしたい」と意気込んでいる。

 桑茶は、地区内の直売所「ふれあいん家(ち)」や同村小雨のインフォメーションカフェ「くにっこハウス」で販売している。

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