県内の産業観光旅行業者にPR 「全国フォーラム」最終日 「ものづくり」で4コースを提案 絹産業遺産や体験工房
- 掲載日
- 2009/10/24
旧官営新町屑糸紡績所の木造洋式工場内を見学する参加者
全国産業観光フォーラム最終日の23日、県内の絹産業遺産や体験工房などを巡る産業観光のモデルコース体験見学会が開かれた。「ものづくり」をテーマとするコースをフォーラム参加の旅行業者らに提案し、誘客を図るのが目的。富岡市の旧官営富岡製糸場を起点に、遺産と先端の生産現場を組み合わせた4コースに113人が参加した。
各コース参加者は、世界遺産暫定リスト記載の「富岡製糸場と絹産業遺産群」の中心構成資産、富岡製糸場でボランティア解説員らの案内を受けて視察。この後、テーマ別の4コースに分散した。
高崎市新町の絹産業遺産や桐生市の「のこぎり屋根」の織物工場を回る「絹の物語を体感する旅」コースには31人が参加した。
参加者は、日本人技術者の設計による初期の木造洋式工場、旧官営新町屑糸(くずいと)紡績所(現クラシエフーズ新町工場)に向かう車中で、「よみがえれ!新町紡績所の会」から概要を聞いた。現地では、1877年建築の紬(つむぎ)糸工場の構造などについて説明を受けた。
紡績所は暫定リストの遺産群から外れているが、同会が建物内に新たに資料を展示。参加者は産業史上の意義や観光資源としての価値を理解した様子だった。
新町では、昨年稼働したガトーフェスタハラダの生産工場を見学。原料からラスク包装まで一連の工程を収録した映像を視聴し、見学通路のガラス越しに衛生管理された製造現場を視察した。
ほかの3コースは、富岡甘楽地域などの伝統産業の工場、工房を訪ねた「群馬の地場産業を体験する旅」、安中市内の製糸と輸送の遺産、工場を回った「絹産業の歴史を探訪する旅」、多野藤岡地域の伝統的養蚕農家などを見学した「自然の恵みを体感し、養蚕技術の礎を探る旅」。
来年度のフォーラムは兵庫県姫路市で開かれる。