駐車場、休憩所を新設 製糸場観光客誘致へ着工 富岡市
- 掲載日
- 2009/11/08
旧官営富岡製糸場の見学者向けに、富岡市は市営仲町駐車場にバス6台分の駐車スペースと物販・休憩施設を着工した。また中心市街地に新たな休憩所として、銀座観光交流センター、宮本町ふれあい交流センター(ともに仮称)を整備する。3施設いずれも年度内に完成予定で、当面予定してきた観光客受け入れ施設の整備が完了する。
仮整地した状態だった仲町駐車場は面積2270平方メートルで、製糸場の東約220メートルに位置する。新たな物販・休憩施設は木造平屋建て172平方メートル。城町通り沿いに現存する明治初期の長屋との連続性を考慮し、瓦ぶき切り妻造りの長屋風とした。施設運営は地元商店街組合に委託する計画。
バス駐車場は既設の宮本町、上町市営駐車場を合わせ、3カ所で計35台分となる。将来的に絹産業遺産などを巡る定期観光バスが運行された場合、市は発着拠点として運用することも想定している。
銀座観光交流センターは上町駐車場と製糸場正門のほぼ中間地点。木造2階建て119平方メートルで、1、2階とも町屋に特徴的な窓格子とする。1階は案内所兼休憩所で、2階を会議、作品展示などの多目的スペースに充てる予定。
宮本町ふれあい交流センターは、宮本町通り中央の「蔵のある広場」に立つ1914年建築の2階建ての蔵を保存のために改修し、併せて前庭の広場を休憩用に整備する。
仲町駐車場は用地取得などを含めて事業費約2億9600万円、銀座の交流センターは工事費約2500万円で、ともに国のまちづくり交付金を活用する。宮本町のセンターの整備費約4200万円は、宝くじ協会の助成金で全額賄う。
市は世界遺産登録推進を踏まえ、2015年度を目標とする総合計画で、観光客数を06年度に対して20%、40万人増の240万人と見込み、製糸場周辺の施設整備を急いできた。