富岡製糸「絵画織」に 桐生織伝統工芸士の新井さん 絹製ブックカバーなど 世界遺産へ後押し
- 掲載日
- 2009/11/16
新井さんが開発した富岡製糸場のブックカバー
桐生市境野町の桐生織伝統工芸士、新井実さん(77)が独自の工法「絵画織」で、旧官営富岡製糸場をモチーフにした絹製のブックカバーやバインダーなどを開発した。世界遺産登録を目指す富岡製糸場をグッズ面から後押ししようと企画。今後は素材に本県のオリジナル蚕品種を使うことも検討している。
織物工場を経営する新井さんは1987年、経(たて)糸と緯(よこ)糸が交わる点に着目し、染めた糸で絵の具のような濃淡を出す「絵画織」を開発。特許を取得し、帯地のほか風景や名画を再現したタペストリーなどを制作している。
富岡製糸場ならではのグッズを作りたいと今年夏から試行錯誤を繰り返し、文庫本サイズのブックカバー(2千円)や名刺入れ(千円)、2種類のバインダー(2500円と3千円)を作り上げた。
新製品の図柄は、富岡製糸場の錦絵を原画にした全景図と、同製糸場のシンボルとなっているれんが造りの繭倉庫の2種類。富岡市で10月下旬に開かれた「全国産業観光フォーラム」の会場で初めてお披露目され、美しい色彩が人気を集めた。
新井さんは「製糸で栄えた富岡と、桐生織がタイアップして生まれた。品格のあるものに仕上がったので、手に取ってみてほしい」と話している。問い合わせは新井さん(電話0277・47・3211)へ。