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地域の蚕糸業史に光

養蚕住宅に展示している金洞組の関連資料
養蚕住宅に展示している金洞組の関連資料

組合製糸の下仁田社に加盟していた、下仁田町小坂川流域の「金洞(こんどう)組」の事業解明を進める地元住民らが29日まで、収集した資料を同町西野牧の斉藤利義さん(83)方で公開、地域の蚕糸業史を紹介している。

◎29日まで下仁田 「金洞組」などの資料展示

資料は組合設立当初とみられる1894年発行の株券、地元集会所で保管していた種銭・種繭の台帳など。同町上小坂の飯嶋常男さん(61)らが収集活動を進めてきた。組合の揚げ返し工場内で1911年に開かれた共進会の繭を額装し、上小坂村住民を願主として中之嶽神社へ奉納した繭額も見つかった。繭は改良又昔(またむかし)など。

井伊直孝が小坂村にあて、桑などの植樹を促した江戸時代初めの文書の写し、明治時代初期の上野国郡村誌、金洞組の初期の決算書などを分析。養蚕・製糸発展の地域史や、同組の経営内容などを解説している。

会場の斉藤さん方はは、金洞組監査役を務め、後に同組から独立した金栄組取締役工場長の旧宅で、典型的な養蚕住宅。別棟に繭乾燥用の土室がある。上蔟(じょうぞく)用の竹まぶし編み機などの道具も展示している。

下仁田社は、養蚕農家による共同揚げ返し工場の組合が加盟した生糸の出荷組織。金洞組は、1893年の同社創立に合わせて設立したとみられている。

見学の問い合わせは飯嶋さん(電話0274・82・5724)か斉藤さん(電話0274・82・3959)方へ。

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