海外専門家と初会議 県世界遺産学術委員会 来年2月 推薦書作成の参考に
- 掲載日
- 2009/12/17
本県の世界遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」の推薦書作成について検討している県世界遺産学術委員会(委員長・岡田保良国士舘大教授)は来年2月10、11の両日、海外の専門家を交えた初の会議を開く。推薦書の根幹となるコンセプトの素案を見てもらい、産業遺産の学識に基づいた意見を今後の作成作業に反映させる。
次回で5回目となる学術委員会は、県と文化庁が2月7日~11日にかけて開催する「富岡製糸場と絹産業遺産群」国際専門家会議の一環。ポルトガル、チェコ、英国、台湾から産業遺産や建築、製糸技術史の研究者4人が来県し、最初の3日間で8市町村10カ所の構成資産を視察して話し合いに臨む。
推薦書の作成は本年度から始まり、学術委員会はこれまで、絹産業遺産群が(1)本県の地域性を表す(2)近代化の代表的遺産(3)先進技術の象徴―という面からそれぞれコンセプトを検討。県世界遺産推進課によると、15日の第4回会議では、日本が世界一の生糸輸出国となった背景には本県で培われた蚕糸技術があったとして、世界的な視点を加えて再検討することで合意した。
同委員会は2月までに素案をまとめ、構成資産の枠組みや位置付けを含めて来県した専門家から幅広く意見を聞く方針。2012年の本登録を目指す県のスケジュールでは、来年9月までに推薦書暫定版を文化庁を通じて国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産センターに提出、11年1月までに本推薦書を提出したいとしている。