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本年度に県 GM蚕実用化へ道 有用物質効率生産 品種育成や環境整備

有用物質を大量生産できる遺伝子組み換え蚕(GM蚕)の実用化に向けて県は本年度、品種育成や飼育環境の整備などに取り組む。実用化推進費として500万円を、本年度一般会計当初予算に盛り込んだ。今秋にも県内の養蚕農家による実用飼育に乗り出す方針で、新しい技術を取り込んで蚕糸業の維持・発展に力を入れる。

県蚕糸園芸課によると、本年度の事業は稚蚕共同飼育所での大量飼育を想定した環境整備・技術開発や、有用物質を効率的に生産するための新品種の育成試験など。飼育に協力する養蚕農家や施設の選定も行う。 GM蚕の育成は昨年度からすでに始まっており、交配を進めて品種を固定した上で、一つの繭から有用物質が抽出される量によって秋以降の飼育頭数や繭価格を決定する。

GM蚕をめぐっては、県が2000年に研究を開始し、昨年6月には県と免疫生物研究所(高崎市)がGM蚕の育成に関する共同研究契約を締結した。同社は繭から抽出したタンパク質によってがんの診断薬を開発し、事業化を目指している。

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