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ラジウム含む繭開発 保温機能生かし肌着など試作へ 前橋の宮沢さん 餌に加え成功量産化を模索

ラジウムを含有した繭を開発した宮沢さん
ラジウムを含有した繭を開発した宮沢さん

県蚕業試験場(現県蚕糸技術センター、前橋)を退職後、独自に蚕の研究を続けている宮沢福寿さん(75)=前橋市関根町=が、保温効果のあるラジウムを含んだ繭糸を開発した。富岡市の養蚕農家と協力して近く量産を模索し、並行して高崎市の繊維メーカーと肌着やTシャツを試作。将来的には商品化を目指す。

宮沢さんは同試験場に39年間勤め、主に蚕の人工飼料の開発と普及に取り組んだ。退職後も自宅の研究施設で研究を続け、セラミックス入りの繭糸を開発。これはすでに商品化した。

今回は体の冷えに悩んでいる女性が多いことに注目し、薄くて肌触りのいい絹製品に保温機能を加えようと計画。前東京大学副学長で前日本蚕糸学会会長の小林正彦さん(東京)らと協力し、健康器具などに使われているラジウムを繭糸に含ませる研究を続けてきた。

その結果、溶けやすいように加水・殺菌を施したラジウムを人工飼料や桑の葉に加え、蚕に与えることで微量のラジウムを含んだ繭糸の開発に成功した。

宮沢さんは「女性の冷え対策に役立つラジウム入りの繭糸で既存品との差別化を図り、県内の養蚕振興につなげたい」と話している。

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