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養蚕の隆盛伝える資料 展示を一新 技術書や日記、猫絵 伊勢崎・赤堀歴史民俗資料館

養蚕資料が充実した2階展示室
養蚕資料が充実した2階展示室

伊勢崎市の赤堀歴史民俗資料館が、2階展示室で紹介している養蚕資料をリニューアルした。これまで公開してきた蚕具類だけでなく、養蚕の隆盛ぶりを伝える明治初期の技術書や日記、近現代の図書などを加えて内容を充実させた。

昭和の半ばまで織物と並んで地域の基幹産業だった養蚕について、あらためて理解を深めてもらうのが狙い。

新たに展示した資料は、同市境島村地区の田島弥平が明治初期に著した技術書「養蚕新論」、同じころ宮中で始まった養蚕を指導役、奉仕者として支えた同地区の栗原茂平、栗原ふさ父娘が残した日記、ネズミから蚕を守る役割を果たした猫絵など。

ほかに蚕が成長していく過程を解説した本、農業高校で使われていた養蚕の教科書を展示。養蚕業の繁栄を願う川場村の伝統行事「春駒まつり」で歌われる、蚕の誕生から織物の売り込みまでを追った長い歌の詞の全文も紹介している。

従来からあった蚕種紙、桑切り包丁、桑摘みざる、まぶし折り器、繭のけば取り機などの蚕具は配置を変えてそのまま展示している。

これらの養蚕資料は企画展開催時には規模を縮小するものの、秋までは常時展示。その後、銘仙資料の展示に切り替えていく。

板橋春夫館長は「養蚕とそれに続く織物資料の展示を通し、伊勢崎の歴史や文化、産業を広く紹介していきたい」と話している。入館無料。月曜と祝日の翌日は休館。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)