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県産繭上海万博へ 6月に日本館工芸作品「花まゆ」展示 酒井さん(名古屋)ら350人制作

上海万博で展示される花まゆ(一部)
上海万博で展示される花まゆ(一部)

群馬の繭、上海万博へ―。本県の繭約3万個を材料に花をかたどった工芸作品「花まゆ」が、5月に中国で開幕する上海万博のジャパンウイーク(6月)でお披露目されることになった。全国組織のグループ「花まゆ」の講師と会員計約350人が協力して作り上げ、組み立てると幅5メートル、高さ2メートルの大きさ。主宰する酒井登巳子さん(62)=名古屋市=は「日本の繭の美しさをアピールしたい」と意気込んでいる。

花まゆは染めた繭を薄くはぎ、花弁に見立てて形作る工芸で、同グループは安中市の碓氷製糸農業協同組合から材料を購入。上海万博日本館のパビリオン「紫蚕島」が繭をイメージしていることや、日本の蚕糸技術はもともと中国から伝えられたことから、酒井さんは昨春、日本政府の担当者から出展の打診を受けた。

同パビリオンの外観に合わせ、赤と青を基調にした花12万個、葉40万枚をすでに制作。酒井さんや講師が現地に出向いて最終仕上げをする。完成品は6月12日に上海のホテルで開かれる日本館主催のレセプションで披露されるほか、翌日以降にパビリオンで展示される。

酒井さんは「絹一つとっても国によって独特の文化がある。花まゆが中国の方にどう見てもらえるか楽しみ」と話し、「里帰りの意味を込めて、来年にはぜひ群馬でも展示したい」と本県への巡回も考えている。

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