地元産繭でパフ 成分に美肌効果 製糸場内で販売 富岡の繭家
- 掲載日
- 2010/05/10
富岡産繭を100%使用したフェースパフ「繭里」
シルクスキンケア商品製造の繭家(まゆや)(富岡市宇田、小島篤社長)は地元産の繭を100%使用した「繭ぱふ」の新商品を開発した。フェースパフとして使用後に形崩れしても、ほぐして手足のケアなどに再利用できる。旧官営富岡製糸場内の売店で販売を開始、地産地消商品として世界遺産登録運動を後押しする。
従来品は県内を含む国産繭を使用していたが、今回は蚕糸・絹業提携グループの富岡シルクブランド協議会(富岡市)から富岡産の繭を購入。「繭の里・富岡」を売り出すため「繭まゆり里」の名称で販売する。
これまでの商品は1~2週間使うと形崩れしてしまい、捨てるのが一般的だった。このため小島社長の長女で製造担当の江川明子さんがエコブームと消費低迷対策として長く使用できる改良品を開発した。
大きさは直径6センチほどで従来品と変わらないが、パフとして使用後にひび割れや形崩れしても、手でほぐしてふわふわの状態にして再利用できる。ひじやかかとの手入れ、つめ磨き、靴磨きのほか、敏感肌の乳幼児の顔をふくこともできる。
価格は1枚399円。製糸場売店で取り扱いを始め、今後、県内を中心に販売店舗を増やし、インターネット販売も検討している。
同社は蚕糸のタンパク質成分、セリシンに美肌効果があることに着目して商品化。江川さんは「戸数の減少する中でも頑張っている地元農家の繭を生かしたかった。地域ブランドとして富岡製糸場の世界遺産登録を応援したい」と話している。