上毛新聞社「21世紀のシルクカントリー群馬」キャンペーン

上毛新聞社Presents
「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

県産繭の絹タンパク 保湿、美白で化粧品に 桐生のアート 美容液など4種を発売

化粧品を前に「桐生の女性800人のモニタリングで成分効果を追求した」と話す伊藤社長
化粧品を前に「桐生の女性800人のモニタリングで成分効果を追求した」と話す伊藤社長

県産繭の絹タンパク質を化粧品に活用する動きが広がっている。染色業のアート(桐生市相生町、伊藤久夫社長)は美容液、クリーム、ソープ、スポンジの4アイテムをそろえブランド化。今秋には全県に販路を広げる。茨城県の化粧品メーカーもソープを商品化、草津、伊香保の温泉地や旧官営富岡製糸場の土産に好評だ。

アートのブランド名は「I2(アイツー)」。今年1月から、JR桐生駅の売店や桐生地域地場産業振興センターなど市内4カ所で試験的に販売、売れ行きが好調なため、販売拠点を拡大する。

絹タンパク質は、碓氷製糸農協(安中市)が集荷した繭のけばから、県繊維工業試験場と共同研究した「加水分解方式」で抽出する。18種類のアミノ酸が含まれており、(1)吸保湿性(2)抗酸化(3)美白(4)紫外線カット―などの効果を確認している。

美容液(30ミリリットル、4200円)は絹タンパク質をそのまま使った。クリーム(50グラム、5200円)はサラッとした「オールインワンタイプ」で敏感肌にも潤いを与える。

ソープ(80グラム、2100円)は泡がきめ細かく、皮膚を痛めない。スポンジ(千円)は、ウレタン発泡剤に絹タンパク質が含まれており、角質を無理なく落とせる。

伊藤社長は「アイテムの性能をさらに高めて桐生や群馬の名産に育てる。新商品も投入したい」と意気込む。

同社は1982年設立。絹タンパク質を合成繊維に付着させた女性向けインナー・ウエアも販売している。

茨城県の化粧品メーカーは絹工房(牛久市、丸山竜也社長)。2005年の設立以来、国産繭を使った美容店向けのクリームや化粧水を製造、販売している。

ソープは富岡産の繭を使用。一般市販向けに昨年9月発売した。皮膚細胞の生育作用のあるタンパク質「フィブロイン」を持つ、絹糸を配合。クリーミーできめ細かい泡立ちが肌に優しく、乳児にも使えるという。価格は2800円、試供サイズは250円(一人4個まで)。

同社は「シルクは体にいい。そのことをソープを通じて数多くの人に広めていきたい」と話す。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)