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「下南室太々御神楽講」 渋川・北橘 “糸つながり”縁に 富岡製糸場で「養蚕の舞」 来月1日「夏祭り」で披露

招待された夏祭りに向け、舞を練習するメンバー
招待された夏祭りに向け、舞を練習するメンバー

渋川市北橘町の「下南室太々御神楽(みかぐら)講」(諸田賢講長、20人)が8月1日、旧官営富岡製糸場で開かれる「とみおか夏祭り」に参加、地域に伝わる「養蚕の舞」を奉納する。地元以外で舞が披露されるのは1999年の東京、2008年の前橋、高崎以来。今回の“糸つながり”の縁に、メンバー一同張り切っている。

下南室の太々御神楽は、明治初期に確立されたもので、毎年4月の赤城神社例大祭で奉納される。舞とお囃子(はやし)を行う御神楽講と、地元自治会による保存会(高橋哲一郎会長)が伝承してきた。

「養蚕の舞」は27座ある神楽舞のうち、こっけいな動作で観客を笑わせる愛興(あいきょう)舞の一つ。養蚕の神から蚕の飼い方を教わった農家の女性が、夫と若者2人との4人でまゆを仕上げるまでの様子を舞で表現している。終始跳びはね続ける若者2人の、ふざけたりおどけたりするしぐさが笑いを誘う。

養蚕農家が少なくなった現在では、作業の手順を伝える舞として貴重なもの。県内では前橋市の春日神社太々神楽にも、下南室から伝えられた「蚕の舞」があるという。

祭りは富岡製糸場と周辺商店街を舞台に、31日と8月1日の2日間行われ、舞は1日に披露される。

練習に集まった諸田講長らは、「地域でも養蚕を続けている人はかなり少なくなった。舞で養蚕の様子が後世に伝われば」と期待し、「富岡でも楽しんでもらえると思う」と話している。

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