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天蚕飼育場を視察 中之条 登坂さん一家激励 両陛下

天蚕飼育場を視察 中之条 登坂さん一家激励 両陛下
天蚕飼育場を視察 中之条 登坂さん一家激励 両陛下

27日から草津町に滞在中の天皇、皇后両陛下は29日、中之条町上沢渡で天蚕を飼育する登坂昭夫さん(67)=同町山田=の飼育場を視察、登坂さん宅を訪問された。両陛下が本県の養蚕農家を視察したのは初めて。

天蚕の生糸は独特の光沢が特徴。明治時代から皇居内で続く養蚕作業の一つとして、皇后さまも飼育されている。登坂さんは国内最大規模の天蚕農家。

両陛下は29日午前、飼育場に到着し、登坂さんの先導で、餌のクヌギの木が茂る網かけハウスの中を歩き、説明を受けられた。

繭ができるのが9月中旬ごろと聞き、天皇陛下は「収穫の時は暑いですね。何人でやりますか」と気遣われた。皇后さまが「東京ではスズメバチが入ってきます。ハチは大丈夫ですか」と尋ねられると、登坂さんは「ハチよりサルの被害が大きいです」と答えた。

登坂さん宅では登坂さん夫婦や娘の上原利恵子さんらが両陛下を応対。出発の際には一家総出で見送り、天皇陛下が「頑張ってください」と激励された。

登坂さんは「両陛下から気さくに話しかけてくださった。ありがたいお言葉もいただき、本当に励みになりました」と話した。天蚕の糸を使用した薄緑色の着物を着て同席した利恵子さんは「きれいな色ですねと褒めていただきました」と声を弾ませた。

両陛下を出迎えた中之条町の入内島道隆町長は「町の高齢者介護について、両陛下からお気遣いの言葉をいただいた。町の特産野菜を持参し、両陛下にご覧いただいた」と感激した様子で話した。

両陛下は同日夕、軽井沢経由で帰京された。

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