フランス式繰糸機 復元機がお目見え 富岡製糸場
- 掲載日
- 2010/10/17
旧官営富岡製糸場にお目見えしたフランス式繰糸機の復元機
旧官営富岡製糸場で創業時(1872年)に稼働していたフランス式繰糸機の復元機が16日、場内の東繭倉庫にお目見えした。初日は復元機を製作、市に無償で寄託した長野県岡谷市の職員が来場し、当時の繰糸機の特徴である「共より方式」で糸を繰り、見学者の注目を集めた。
復元機は2釜分で、大きさは高さ約2メートル、幅約1・6メートル、奥行き約1・8メートル。真ちゅうや鉄、銅など当時と同じ素材で作られた。
「共より」は十数個の繭玉からひいた糸を、良質な1本の糸にまとめる品質重視の方式。製糸場が生産効率を重視する民間に払い下げられた93年以降、徐々に衰退していったとされる。
復元機のお披露目に先駆けて開かれた寄託式では、富岡市の岡野光利市長が「復元機を製糸場のシンボルの一つとして活用していきたい」と語った。
富岡市教委によると、復元機は東繭倉庫内のガイダンス施設で、岡谷市の絹産業の歴史などを紹介するパネルとともに展示する。今後は動態展示を目指し、同市の職員から復元機の扱い方を学ぶという。