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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

藩営前橋製糸所 日本初、器械製糸を導入 開設140年で記念碑

世界遺産や富岡製糸場をテーマに講演する近藤さん
世界遺産や富岡製糸場をテーマに講演する近藤さん

1870(明治3)年に日本で初めて器械製糸が導入された「藩営前橋製糸所」の開設140周年にちなみ、前橋市内の有志が同市岩神町の製糸所跡に記念碑を建立する。18日に除幕式を行い、蚕糸関係者らが完成を祝う。

製糸所は前橋藩士の深沢雄象と速水堅曹が中心となり、スイス人技師ミューラーを招いて同市住吉町の民家で操業。3カ月後に岩神町に移転して生産規模を拡大し、その後「小野組」や「大渡製糸所」へと経営者を変えて1898年まで稼働した。全国から伝習生を受け入れ、最盛期には500釜の規模で繭から糸を取り、600人の工女が働いていたという。

住吉町の発祥地にはすでに記念碑が建てられているが、岩神町で本格的に操業した歴史はあまり知られていない。140年の節目に際し、富岡製糸場世界遺産伝道師協会のメンバーを中心に建立委員会を設立。10月から寄付を募り、現在は民家の敷地となっている市道沿いに建てることが決まった。

委員会事務局の町田睦さんは「大渡製糸所時代は品質改良に努め、海外の評判が良く高値で販売された。そういう歴史を知るきっかけになればいい」と話している。

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