GM繭 引き渡す 県蚕糸センター 民間研究所に1キロ
- 掲載日
- 2010/12/21
養蚕農家が飼育したGM蚕の繭
蚕糸業の維持存続に向け、前橋市内の養蚕農家が飼育していた遺伝子組み換え蚕(GM蚕)の繭の受け渡しが20日、同市の県蚕糸技術センターで行われた。さなぎや汚物を取り除いた状態のきれいな繭約1キロが免疫生物研究所(藤岡市)に引き渡された。
GM蚕の実用化をめぐっては、県と同社が昨年6月に共同研究契約を締結。養蚕農家6軒でつくる「前橋遺伝子組換えカイコ飼育組合」に委託する形で、有用タンパク質の生成を目的に、11月中旬から2種6千匹の飼育を始めた。
蚕は順調に育ち、繭を作った割合が91・7%(通常は80~85%)とかなり良好な結果となった。同組合長の糸井文雄さんは「温度湿度の管理や蚕が外に出ないように特に気をつけた。ほかの農家にも飼える状況になればいい」、同社の清藤勉社長は「9割以上が繭になって良かった。一つの希望になる」とそれぞれ話していた。