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北向の歴史 後世へ 住民20人まとめる 明治以降の年表作成 伊勢崎・境島村

北向近代史年表を作成した作る会の発起人
北向近代史年表を作成した作る会の発起人

伊勢崎市境島村の北向地区の住民が、1868(明治元)年から2010年までの歴史をまとめた「北向近代史年表」を作成した。年表を作る会の小此木暁実行委員長(78)は「電気や電話、水道の開設などの出来事も入れることができた。若者も参考にして、地区の歴史を知ってほしい」と話している。

地区の歴史を調べて後世に伝えようと、地元長寿会の役員ら5人が発起人となり昨年夏に作る会を結成。会には地区で生まれ育った60歳以上の20人が集まった。

副委員長の町田敬之さん(74)によると、年表作りのきっかけは、碁盤の目のように整備された北向地区の道路がいつ造られたのか、地元のお年寄りもはっきりと分からなかったこと。それならば明治以降の歴史を調べてまとめようと、住民が年表作りに取り組むことになった。

昨年8月から10回ほど委員が集まり、公民館が作った島村の歴史年表、消防署や島小学校の百年史を参考に昔の記憶をたどった。

調査の結果、整然とした道路は1931(昭和6)年から35年にかけて行われた耕地整理事業に合わせて完成したことが判明。このほか年表には火災や自然災害、地域の出来事を詳細に盛り込んだ。

終戦の45年に米軍機が飛来したこと、47年のカスリーン台風で全戸床上浸水の被害が出たこと、75年に地域から養蚕農家がいなくなったことも記している。

年表はA4判8ページ。地区の全95世帯に配布したほか、境地区の公民館や境図書館などに寄贈した。

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