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養蚕技術広めた「高山社」 顕彰碑の解説書 作製 「考える会」 多野藤岡の18人紹介

完成した解説書を持つ小坂会長(前列中央)や会員
完成した解説書を持つ小坂会長(前列中央)や会員

明治、大正期に養蚕技術を全国に広めた「高山社」の顕彰団体「高山社を考える会」(小坂裕一郎会長)は、多野藤岡地域に現存する蚕糸業指導者18人の顕彰碑を取りまとめた解説書を作った。地元でも忘れられつつある先人の業績に再び光を当てるとともに、同地域での「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録運動を活発化させる。

解説書は「多野藤岡地域蚕糸業指導者 顕彰碑文等に関する史料とりまとめ書」(A4判、130ページ)。高山社を結成して養蚕の普及に尽くした高山長五郎をはじめとする多野藤岡地域の蚕糸業指導者18人を取り上げ、それぞれの顕彰碑(3人は掛け軸)の写真や原文、全訳、人物の解説などを盛り込んだ。

会員が碑を一つずつ回ったり、関係資料を集めたりしてほぼ3年がかりで完成させた。千部作製し、会員に配るほか、県内の公立図書館などにも寄贈する。千円を払って入会すれば手に入る。

小坂会長は「会員の汗が染み込んだ本。18人の功績を市民全員に読んでもらい、世界遺産登録運動の躍進につなげたい」と話している。

県世界遺産推進課は「地域の歴史を再発見し、伝えていく活動が住民によって行われることは素晴らしい。世界遺産登録への重要な推進力になるだろう」と評価している。

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