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「富岡製糸場と絹産業遺産群」Web

世界遺産登録 推薦書案を提示 絹の大衆化、技術革新で構成

国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出する、世界遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」の推薦書の作成に取り組む県は13日、都内で開かれた県世界遺産学術委員会(委員長・岡田保良国士舘大教授)に原案を示した。委員会は登録の価値証明について議論し、中国や欧州との技術交流を通じた絹の大衆化と、繭や生糸を大量生産する技術革新の2テーマに絞って推薦書を構成していくことを決めた。

原案は価値証明のほか、資産の特定、内容、保全状況と与える影響などユネスコの推薦書様式に沿って作成されている。構成資産として富岡製糸場など7カ所を記載した。  県世界遺産推進課によると、岩手県の「平泉の文化遺産」と東京都の「小笠原諸島」が世界遺産に登録される見通しになったことを踏まえ、議論が白熱。平泉で「柳之御所遺跡」の除外が登録の条件とされたことから、構成資産7カ所をさらに絞り込む必要性を指摘する意見もあったという。

韓国など海外の比較調査結果や県が進める「ぐんま絹遺産ネットワーク事業」についても報告された。

世界遺産推進課の松浦利隆課長は「委員会の意見を反映させ、より良い推薦書をいつでも提出できるように準備していきたい」と話している。  岡野弘文・県企画部副部長は「世界遺産登録は県政の最重要課題の一つ。一日も早い登録に向けて県民一丸となって取り組みたい」とあいさつした。

富岡製糸場(富岡市) 田島弥平旧宅(伊勢崎市) 高山社跡(藤岡市) 荒船風穴(下仁田町)