《TOKYO通信》 新たな方法でPRを 世界遺産登録へ特別委
- 掲載日
- 2011/05/30
国内政治
世界遺産の候補選定を協議する文化審議会の特別委員会が26日、都内で開かれた。同日報告されたのは、世界遺産登録を戦略面から検討する新たなワーキンググループを特別委の下に設置すること。設置の狙いは、国内の候補を世界に向けて効果的に訴えていくことにある。
印象的だったのは、五味文彦委員長(東大名誉教授)の「世界遺産登録は生き物だ」という言葉。ユネスコの登録基準が厳格化しつつある中、特別委が登録に向けて柔軟な対応を目指し、国内候補の戦略的なPRに本腰を入れようとする姿勢がうかがえた。
五味委員長は「世界遺産の考え方自体がどんどん新しくなっている」として、暫定リスト入りしている国内候補に対し、「従来の方法にとらわれない新たなPRが大切だ」とエールを送る。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」の登録を目指す県は、現在ユネスコに提出するための推薦書作りを進めている。これまでに県内で郷土に根差した登録運動が続けられてきたことへの誇りを胸に、潮流を見極めた本県ならではの推薦書となることに期待したい。(関)